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住まいに対する思い


第3世代の住居空間をプロデュース
by woodshelter
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国産材・解ったつもりの勘違い

2日連続で木材産地の方と話しをする機会がありました。24日は吉野材の集積地、五條の山林家栗山さん、山守の新さん、製材所の永井さんと鍋を囲んで盛り上がり、直径一丈の桧を伐採するまえに見せていただくことで盛り上がりました。ある著名な棟梁が日本にはもう無いと言っていた桧です。植林の桧ですが、あらためて解ったつもりの勘違いや誤解に気づかされることしきり!木の育て方は数百年も昔から、その時代の社会ニーズを受けて生産してきたこと。闇伐りは昔からやってきたことが何故すたれたのか?最近、新月伐採がブームになり脚光を浴びていますが、樵さんでもある山守の新さんは闇伐りをやっているそうです。しかしTV局の取材はがんとして拒否しているので皆さん方は知らないわけです。教えていただくごとに山側プロのすごさと同時に現在の私たちの求めている木材の間にギャップを感じました。ほとんど江戸時代の感覚で木材の価値観を捉えているわけですが、頭では今の時代を理解しようとするから勘違いも起こってしまいます。25日は天竜の木材屋さんがアトリエにお見えになり、木取りや乾燥のことでついつい長話になってしまいました。木は狂ってあたりまえ。反ってあたりまえ。割れてあたりまえ。実は戦後の材木屋さんのエゴなので~す。(これは私の持論)身分社会や富裕な商人が財をつくして建築した時代の木材品質と現在私達が木造住宅で使用している木材の品質は雲泥の差があるのです。書院造りや数奇屋建築で使用される木材は狂ってはいけないし、割れてはいけないのです。そのためにプロは技術を磨き、木を活かして使う技術も磨かれ目利きが良い棟梁の条件でもあったと思うのです。国産材をもっと使ってほしい。山側思いと私たちの願いは同じなのですから「割れない」「反らない」「狂わない」木材品質を追求し技術を磨いてほしい。現実に割れない、狂わない木材製品は(呼吸している部分は狂うというのかな~)できるのですから。楽器や家具の世界では常識でも何故か木材業界では逆なのです。マンションで無垢の杉桧を使ったインテリアに取組んでいますが、めざしているのは「狂わない木」です。山側の皆さん、どうか本年もこの我侭にお付き合いください。

by woodshelter | 2007-01-25 21:14
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